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"怖さ"が欲しくなったあなたへ、近年の傑作ホラー9選

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『へレディタリー/継承』でもっと"怖さ"が欲しくなったあなたへ。『キャビン』や『哭声/コクソン』をはじめとした近年の傑作ホラー映画を紹介。

By Georgie Wright; translated by Nozomi Otaki

Redditはおもしろコンテンツの宝庫だ。トップページでは〈笑顔をみせて、といわれたときの私〉などミームばかりが目につくが、ホラーに特化したサブフォーラム〈Dreadit〉などでは、住み込みの共同墓地管理人の仕事を受けるべきか否かなど、よりディープな議論が繰り広げられている。Dreaditが提供するのは、将来の職業選択にまつわる疑問だけではない。ここ10年でもっとも恐ろしい映画リストも掲載されている。

このランキングは、好きな作品には賛成票、そうではない作品には反対票を投じるという比較的民主的な方法によって決められている。もちろん、さらに熱心なDreaditユーザーによって順位が変わる可能性もあるが、今のところ人気タイトルはかなり絞られている。夜眠れなくなること必須の9作品を紹介する。

1. 『キャビン』(2011)
概要:ホラーとコメディは矛盾するようにも思えるが、この作品はまさにホラーでありコメディだ。全身の筋肉が麻痺したようにこわばりながらも、笑いでカタルシスを得られる。それだけでなく、本作はこのジャンルのお決まりの展開に鋭い疑問を投げかける。クラシックホラーの鉄板ネタやステレオタイプを踏襲しながらも、それを皮肉っているのだ。物語の舞台は、タイトル通り山奥のキャビン。5人の大学生が週末を楽しむ裏で、2人の科学者が密かに凶行に及ぼうとしていた。監督と製作総指揮を務めたのは、ドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』シリーズでもタッグを組んだ、ドリュー・ゴダードとジョス・ウィードン。ふたりは3日間ホテルの部屋に籠りきりで脚本を書き上げたという。彼ら自身も山小屋のような閉塞感を味わったに違いない。

Redditの評価:「10年に一度の怪作」
映画批評サイト〈ロッテン・トマト〉の満足度:92%

2. 『ヘレディタリー/継承』(2018)
概要:この作品は知っているひとも多いはず。バスや映画館で観たひともいれば、夢に出てきてうなされたひともいるかもしれない。アリ・アスター監督が想像を絶する恐怖を描く手法を明かしたi-Dインタビューは必読だ。まだ観ていないひとのために(とても賢明で理性的な判断だと思う)、簡単なあらすじを紹介したい。この超自然的なホラー作品の主役は、トニ・コレット演じるミニチュア模型作家のアニー。家族の秘密、トラウマ、悲しみ、地獄のような運命に直面したときにひとはどうなるのかを映しだす作品だ。もし安眠を大切にしたいなら、観ることはおすすめしない。

Redditの評価:「最近の作品だから私の言葉は信用できないかもしれないけど、個人的に『ヘレディタリー/継承』はここ10年で最高の作品」
ロッテン・トマトの満足度:90%

3. 『死霊館』(2013)
概要:ロードアイランドの古い農家に引っ越してきた夫婦と5人の娘たち。彼らはある日を境に怪奇現象に見舞われるようになる。最初のきっかけは、家に入るのを拒んだ愛犬の死(犬の死は本当に耐えられない)。その他も魔女、殺人、悪魔払いと、ホラーのお約束がてんこ盛りだ。古き良きホラーを家族みんなで楽しんでほしい。

Redditの評価:「映画館で観たあと、もう二度と観ないと誓った最初の作品。つまらなかったからじゃない。とんでもない傑作で、数週間は不快感や恐怖が消えなかった。いつか絶対にまた観たい」
ロッテン・トマトの満足度:86%

4. 『グリーンルーム』(2015)
概要:英語で楽屋を意味するグリーンルームは、それ自体が充分すぎるほど恐ろしい場所だ。ミュージシャン、コメディアン、俳優が、迫り来る本番を前に不安に襲われる部屋。それが『グリーンルーム』の世界だったらなお悪い。イモージェン・プーツとパトリック・スチュワートが出演する本作の舞台は、ネオナチが集うバー。スキンズのひとりが女性を殺害した現場を目撃したメンバーたちは、口封じのため楽屋に閉じこめられてしまう。何が何でもネオナチのバーでライブをやるのは遠慮したい、と思わざるをえない1本だ。

関連記事:パンクスvsネオナチ軍団!『グリーンルーム』

Redditの評価:「ジャンルを問わず、ここ10年でいちばんの名作」
ロッテン・トマトの満足度:90%

5. 『ウィッチ』(2015)
概要:原題は『The VVitch: A New-England Folktale』。1630年代のニューイングランドを舞台に、米国へ亡命したピューリタンの一家を描く作品だ。彼らは英国国教会がカトリックの教義を〈浄化〉すべきだと信じ、クリスマスも廃止しようとした敬虔なクリスチャンの一派。ある日、赤ん坊が魔女にさらわれ、長女に疑いがかけられる。厳密にいえばホラーというより、規範から外れた女性がいかに悪魔扱いされていたかを描く、フェミニズム要素の強い作品だ。だからこそ現代にも通じるものがある。

関連記事:『ウィッチ』映画評

Redditの評価:「残酷さがじわじわと伝わってくる作品。これを観たあとにキャンプに行くなんてバカだった」
ロッテン・トマトの満足度:91%

6. 『哭声/コクソン』(2016)
概要:この韓国映画にはA級ホラー作品の条件がすべて揃っている。山奥の孤立した村、得体の知れないよそ者の到着、奇病の発生、シャーマン、悪魔払い、生贄にされる罪のない鶏たち(かわいそうに)...。2016年カンヌ国際映画祭で他の韓国映画とともに上映された本作は、『Vulture』誌をして「ほとんどの米国映画が魅力や想像力に欠けたものに感じられる」といわしめている。

Redditの評価:「類稀なミステリーホラー作品。この作品に隠されたテーマ、解釈、理論、象徴について、様々なサイトで議論が繰り広げられている」
ロッテン・トマトの満足度:99%

7.『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008)
概要:雪に覆われたスカンジナビア半島を舞台にした、いじめられっ子の12歳の少年が街に引っ越してきた子どもと友情を育む、心温まる青春映画に、甲高い音響効果、人間の血への果てなき欲求を加えたのがこの作品だ。原作は、本作の脚本も手がけたヨン・アイヴィデ リンドクヴィストによる2004年の小説『MORSE モールス』。2010年には、若きクロエ・グレース・モレッツ主演でハリウッド版リメイクも製作されたが(『モールス』)、オリジナルのほうがずっと優れている。オリジナルとは得てしてそういうものだ。ホラーでもあるが、ロマンスでもある本作は、恐怖だけでなく、人間関係の機微を繊細に描いている。

Redditの評価:「『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)以来のヴァンパイア映画の傑作」
ロッテン・トマトの満足度:98%

★特別賞(厳密にいえば8位や9位には入らないが、一見の価値ある名作)

『ザ・ゲスト』(2014)
概要:本作は、米国の帰還兵デイヴィッドがアフガニスタン紛争で息子を亡くした家族のもとを訪れ、自分は息子さんの友人です、と告げるところから物語が始まる。そのうち彼らの周りで大勢のひとが殺害されはじめ、一家の長女アナはデイヴィッドに疑念を抱く。本作には様々なサプライズが盛りこまれており、批評家からもそこそこの評価を得た。ウェブメディア〈The A.V. Club〉は「特に内容はないが、これほど本格的なエンタメ作品は稀有」と評している。やや鼻につくコメントだが、賛辞には違いない。

Redditの評価:「いわゆる古典的なホラー映画ではないけれど、どうしようもなく不安になる作品」
ロッテン・トマトの満足度:89%

『喰らう家』(2015)
概要:海外版ポスターは「ムンクの叫び」を彷彿とさせるが、その予感は正しい。本作の舞台はホラー映画の鉄板、お化け屋敷。息子のボビーを交通事故で亡くし、ニューイングランドの新居(実際はとても古い一軒家)に引っ越してきたアニーとポール。近所に住むキャットは、夫婦にここから出ていくよう警告する。この家は19世紀にダグマーという葬儀屋が建てたもので、彼は稼ぎの足しにするために密かに死体を売っていたという。当然、アニーとポールはキャットの言葉を無視する。ホラー映画には、賢明なアドバイスに耳を貸す登場人物なんて存在しないからだ。さもなければ、みんなが心待ちにしている阿鼻叫喚が始まらない。

Redditの評価:「タイトルを読むだけでゾッとする」
ロッテン・トマトの満足度:95%

This article originally appeared on i-D UK.

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